
低速重イオン超伝導線形加速器の開発グループを代表し、坂本 成彦 チームリーダー(仁科加速器科学研究センター 加速器基盤研究部 サイクロトロンチーム)が公益財団法人高エネルギー加速器科学研究奨励会 2025年度奨励賞(諏訪賞)を受賞しました。
高エネルギー加速器科学研究奨励会は、加速器ならびに加速器利用に関る研究において、4賞(西川賞、小柴賞、諏訪賞、熊谷賞)で構成される奨励賞を授与し、加速器科学の発展に資することを目的として設立されました。その中で諏訪賞は、高エネルギー加速器科学の発展上、長期にわたる貢献など特に顕著な業績があったと認められる者・研究グループに授与されます。
授与式は2月27日にアルカディア市ヶ谷(私学会館)にて執り行われる予定です。
研究課題/業績
理研RIBFの低速重イオン用超伝導線形加速器の開発 ~設計、建設、ユーザー運転~
受賞理由
理化学研究所 仁科加速器科学研究センター 低速重イオン超伝導線形加速器の開発グループ(代表、坂本 成彦 チームリーダー)は、ニホニウムに続く超重元素探索実験のため、新たに超伝導空洞を用いた低速重イオン用の理研超伝導線形加速器(SRILAC)を建設し、加速電圧のアップグレードを実施した。このSRILACは、純ニオブ板から製造された10台のTEMモード4分の1波長型の超伝導空洞(QWR)から構成され、液体ヘリウムを用いて4Kで運転される。我が国で初めてとなる純ニオブ板から成形・溶接加工により製造されたQWRは、内閣府ImPACT藤田プログラム(藤田 玲子プロジェクトマネージャー)での要素技術開発において、加速勾配6.8MV/mでQ0=1×109という空洞仕様を十分満たすものとして開発に成功した。その後、10台のQWRは3つのクライオモジュールに統合され、2020年1月にイオンビーム加速に成功、現在に至るまで超伝導クライオモジュールにまつわるさまざまなトラブルを克服しながらイオンビームの安定供給を続けている。研究開発段階から安定運転に至るまでの業績は、ひとえに坂本チームリーダーを中心としたメンバーの卓越した能力とチームワークによるものである。
受賞者のコメント
加速器科学研究会奨励賞(諏訪賞)を開発グループにいただけること、大変光栄に感じております。当時、さまざまな面で支えていただいた関係各方面に開発グループを代表して感謝の意を表したいと思います。
低速重イオン超伝導線形加速器の開発グループメンバー
