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2026年6月16日

理化学研究所

放射性医薬品の原料製造・供給事業を開始

理化学研究所(理研)仁科加速器科学研究センター(RNC)は、革新的ながん治療法として世界的に注目されている放射性医薬品の開発を支援するため、同医薬品の原料となるラジオアイソトープ(RI)「アスタチン-211(At-211)」の臨床試験向け製造・供給事業を2026年6月16日より開始します。

がん治療法の一つ、標的アルファ(α)線治療(Targeted Alpha Therapy:TAT)は、RIを含んだ薬剤をがん細胞に集積させ、RIから放出されるα線を用いてがん細胞を死滅させる治療法で、近年急速に研究開発が進んでいます注1、2、3)。しかし、TATに用いられるAt-211やアクチニウム-225(Ac-225)といったRIは、製造・精製・輸送が極めて困難であるため、安定供給が難しいことが課題でした。

RNCは、長年にわたり加速器技術、核化学、放射線安全管理の知見を培い、特に加速器を用いたRIの製造技術や分離・精製技術の研究開発を進め、数多くの放射性医薬品の研究開発を支えてきました。2023年には、加速器の大強度化と大規模RI製造装置の開発によりAt-211の大量製造を実現しました注4、5)。今回、事業化に向けた準備が整ったことから、At-211の製造・供給事業を開始します。

本事業にて、これまでに培ってきた知見を基盤に、企業や医療機関に対して放射性医薬品の原料となる高品質なRIを提供します。今後はAt-211に限らず、Ac-225などの医療用RIの製造開発をさらに進め、製造・供給事業を拡大する予定です。

本事業により、At-211を供給することで、多くの医師主導治験や企業治験が進み、標的α線治療薬の開発の加速や製造基盤の確立が期待されます。

なお本事業は、内閣府・原子力委員会のアクションプラン(「医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプラン」(令和4年5月))の趣旨に沿い、研究成果を医療現場へと橋渡しする具体的な取り組みとして位置付けられます。

問い合わせ先

理化学研究所 仁科加速器科学研究センター
Email: RIKEN-RI@ml.riken.jp

  • 提供量、提供頻度、費用などの調整を行った後、別途契約締結を行います。
  • 理研は、知的財産(特許出願業務等)、ライセンス(契約交渉等)、スタートアップ支援に関する業務を株式会社理研イノベーションに委託しております。お問い合わせいただいた内容は同社と共有させていただく場合がございます。予めご了承ください。

研究支援

本事業の基盤となる技術開発の一部は、科学技術振興機構(JST)「産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム」、日本医療研究開発機構(AMED)「次世代がん医療加速化研究事業」、福島国際研究教育機構委託事業「加速器を活用したRIの安定的かつ効率的な製造技術の開発」、文部科学省「共同利用・共同研究システム形成事業学際領域展開ハブ形成プログラム」、金属技研株式会社の助成を受けました。

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