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2026年6月2日

東京大学
理化学研究所
科学技術振興機構(JST)
東北大学

磁石の中の熱ゆらぎを“しぼる”ことに成功:マグノンの熱スクイージングを単一モード・二モードで初めて実証

-量子センシングや次世代熱機関への応用に期待-

東京大学 大学院工学系研究科の日置 友智 助教、齊藤 英治 教授(兼:理化学研究所 創発物性科学研究センター チームディレクター、東北大学 材料科学高等研究所 主任研究者)、東北大学 材料科学高等研究所(WPI-AIMR)のMehrdad Elyasi 准教授、Gerrit Ernst-Wilhelm Bauer 主任研究者らの研究グループは、磁性体中のスピンの集団運動である「マグノン」において、熱ゆらぎを特定の方向に圧縮する「熱スクイーズ状態(Thermally squeezed state)」を観測することに成功しました。

物理学において、系のノイズを特定の位相で減少させる「スクイーズ(絞り込み)」は、精密計測や量子情報処理の鍵となる概念です。これまで光や音の波(フォノン)では研究が進んでいましたが、磁性体における実現は困難とされてきました。

本研究では、マイクロ波によるパラメトリック励起を用いることで、マグノンの熱ゆらぎを特定の位相で熱励起レベル以下に抑制できることを証明しました。さらに、薄膜の上面と下面に分かれて存在するマグノン間に相関が生じる「二モード熱スクイーズ」の観測にも成功しました。この成果は、磁性体を用いた低ノイズなセンシング技術や、非平衡に特有なスクイーズ強度を自由度として用いることで、平衡熱力学の限界を超える熱機関の創出に道を開くものです。

本研究成果は、2026年6月1日付で「Nature Physics」に掲載されました。

詳細は東京大学工学部・大学院工学系研究科のホームページをご覧ください。

原論文情報

  • DOI : 10.1038/s41567-026-03294-4

報道担当

理化学研究所 広報部 報道担当
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