計算科学分野における最も権威ある賞「2026 ACM ゴードン・ベル賞[※]」の最終候補(ファイナリスト)が発表され、理化学研究所(理研)の研究者が参画する二つの国際共同研究プロジェクトが選出されました。
選出されたプロジェクトの概要
量子中心スーパーコンピューティングによる最大規模の分子シミュレーション
- 概要
- クリーブランド・クリニック(米国)、理研、IBM(米国)による国際共同研究グループは、量子コンピュータでモデル化されたものとして過去最大となる、12,635原子規模の生物学的に重要な分子シミュレーションに成功しました。
- 主な貢献
- 量子計算と古典計算(スーパーコンピュータ)の強みを融合した「量子中心スーパーコンピューティング」の枠組みを構築し、生命科学研究における新たな役割を示しました。
- 成果の詳細
- 計算科学研究センターのウェブサイトをご覧ください。
エクサスケール・スーパーコンピュータとAIによる星一つ一つまで分解した天の川銀河シミュレーション
- 概要
- 理研、東京大学、神戸大学、Flatiron Institute(米国)、筑波大学、東北公益文科大学、北海道大学を含む国際共同研究グループは、3種類のエクサスケール・スーパーコンピュータを用い、私たちが住む天の川銀河全体を、星・ガス・ダークマターを合わせて最大5.4兆個の粒子を用いて計算する、超高解像度シミュレーションを実現しました。これは、天の川銀河の星一つ一つまで再現できる解像度です。
- 主な貢献
- 米国のIntel、Advanced Micro Devices(AMD)、NVIDIAのGPUを搭載した「Aurora」「Frontier」「JUPITER」上で高い並列化性能を実現し、同一コードを異なるGPU上でも高効率に実行できることを実証しました。さらに、AIによる超新星爆発計算の高速化により、天の川銀河を個々の星のスケールから追跡する計算手法を実現しました。
- 成果の詳細
- 数理創造研究センターのウェブサイトをご覧ください。
ゴードン・ベル賞ファイナリストへの今回の選出は、理研の最先端技術と国際協力への貢献の成果を示すものです。受賞結果は2026年11月15?20日に米国シカゴで開催されるスーパーコンピューティングの国際会議「SC26」(The International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage, and Analysis)で発表されます。
補足説明
- ※ゴードン・ベル賞
アメリカ計算機学会(ACM)が主催する、大規模な高性能並列コンピュータシステムを科学技術分野へ適用することに関してイノベーションの功績が最も顕著と認められた成果に与えられる賞。1987年に設立。
